木鶏はテレビでも紹介されていたお蕎麦屋さんだ。なんでも、東北の震災で大変な経験をして信州に再起の道を求めたとかいう話のお蕎麦屋さん。
山形村だったか、たまたま通りかかって感じの良いお店があったので車を止めて中に入る。新しい店は内装センスも良くて、眺めまわしているうちにそのような話を思い出した。
店内は天井が高く、ファンは回っていたかもしれないが、少し冷え冷えしたものだ。
店員の応対の感じも良い。誰でも応援したくなるだろう。
ソバの味?
あまり思い出せない。エクセレントではなかったのだろうか。
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難しいと思ったのは常連さんの存在だ。
後から、常連らしき客が入ってきて店内は急に騒がしくなった。カウンター越しに厨房と常連客が大きな声でやり取りをしている。延々と世間話だ。他の客にはお構いなし。
こういう常連客は、ひいきの引き倒しをやっているのかもしれない。店の人は話しかけられたら無視もできない。常識をわきまえない常連客ほど悩ましいものはない。
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ソバの味を思い出せない理由が分かった。
言葉のやり取りが煩かったのだ。蕎麦の文化とか価値とか大袈裟なことは分からないが、一人で来て大声で店主?と世間話を続けているのだから、回りは堪ったものではない。
良い店なのに、次に通りかかっても暫くはもう入ることはないだろう。
でも、
やはり気になるから、空いていそうな時間なら覗いてみることにしよう。彼らはまだ若い。客あしらいに不慣れでも止むを得ないかも。
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木鶏とは?なかなか意味深いですね。
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常連客のたまり場になってしまった店が幾つもある。蕎麦屋という訳ではないが、 家族的な雰囲気を出す店では、ランチタイムだけでなく、毎晩の食事、賄いの場、くつろぎの場になる。一般客の足は少しずつ遠ざかるから、なおさら常連が上客になっていく。単身者などライフスタイルによっては非常に助かる店でもある訳だ。暖簾をくぐる客もその覚悟で来るから話し声なんか気に事もない。
木鶏がどういう店を目指しているか分からないが、昼からあの調子なら夜はどのようなものかと想像させられる。賑やかな活気溢れた店になっているだろう。
いずれにしても店主が目指す姿になっていれば十分なことです。
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